社会革命党宣言

提供: 日本社会主義文献類聚
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  • 幸徳秋水による「社会革命党宣言」の全文である。1906年6月1日、幸徳秋水・岩佐作太郎らによって米国オークランドにおいて「社会革命党」が結成された。この文書はその社会革命党の結成宣言であり、12月20日発行の機関誌「革命」に掲載された。
  • 底本:山泉進・編『社会主義事始』社会評論社、1990年。
  • 底本の親本:『在米社会主義者・無政府主義者』柏書房、1964年。
  • 初出:『革命 The Revolution』第一号 1906年12月20日

社会革命党宣言

 吾人はここに満天下に向って社会革命党の結党を宣言す。
 それ一人をして飽暖逸居せしめんがために百万民衆常に貧困飢畿に泣くの時において労働なるものはたして何の神聖ぞや一人をしてその私利私福をほしいままにせんがために百万民衆まったく自由権利を剥奪せらるるの時において人生なるものはたして何の価値ありや一人をしてその野心虚栄の心を満たしめんがために百万民衆常に戦争侵略の犠牲た時において国家なるものはたして何の尊厳ぞや
 しかりこれ実に苦痛なる労働にあらずや悲惨なる人生にあらずや惨酷なる国家にあらずやしかして実に不正不義なる社会にあらずや今や世界多数の人類がその苦痛悲惨残酷なる境遇に煩悶する叫声は日は一日より高くその自由と幸福と平和とを求めて苦闘するの熱心は月は一月よりさかんなりしかしてこの煩悶と苦闘とを看過して漫然その赴くところに任ずるはあに人情あり同義あるもののよく忍びうる所なるや
 現時の不公不正なる社会を改革して善美なる自由幸福平和の社会を建設するはこれ吾人が祖先に対し同胞に対し子孫に対する責任なり義務なりしかしてまた実に吾人の権利なり
 吾人の社会革命党を組織するただこの責任義務をつくこの権利を行わんがためにほかならず
 吾人ここに満天下に向って社会革命党の結党を宣言し別に定むるところの綱領に得て社会的大革命の実行に従う同志の士恵然来りて躊躇ちゅうちょすることなかれ

綱領

  • 一、我党は現時の経済的産業的競争制度を廃滅し、いっさいの土地資本を挙げて万民の共有となし、貧困者のあとを絶たんことを期す。
  • 一、我党は現時の迷信的習俗的階級制度を改革し、万民をして平等の自由と権利を保有せめんことを期す。
  • 一、我党は現時の国家的人種的偏執僻見へきけんを排除し、四国兄弟、世界平和の真義を実現せしめんことを期す。
  • 一、我党は以上の目的を達せんがため世界万国の同志と連合協力しで社会的大革命を行う 必要を認む。

この著作物は1925年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているので、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。