日本共産党第四回党大会決定の日本共産党行動綱領

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  • 日本共産党第四回党大会で採択された日本共産党行動綱領の全文である。
  • 底本:日本共産党中央委員会・編『日本共産党綱領集』日本共産党中央委員会出版部、1962年。
  • 用字・仮名遣いは底本に従った。

 軍事的警察的天皇制権力によって強行された強盗侵略戦争は、数百万の人民の生命を奪い去り、一千万人におよぶ罹災者と無数の不具者を作った。史上未曾有の窮乏と飢餓と失業とが、わが日本の労働者・農民およびいっさいの勤労大衆を襲いつつある。
 わが日本共産党は天皇制権力の犯罪的帝国主義戦争にたいして過去二十四年にわたり全面的に抗争し来った。そのゆえにこそ野獣のごとき強権の鞭によるあらゆる迫害にさらされ、多くの党活動家は十余年にわたって人権じゅうりんの牙城たる牢獄裡に呻吟せしめられた。
 しかしながら、ついにこの野蛮きわまる軍事的警察的帝国主義権力の崩壊の日は始まった。専制主義および軍国主義からの世界解放の軍隊としての連合国軍の日本進駐によって、日本における民主主義的変革の端緒が開かれるにいたった。連合国憲章と世界労働組合連盟の結実こそ、世界民主主義的平和体制の一大旗幟として顕現したものである。しかるに天皇制政府は依然としてその残骸を保持することに汲々として、連合国にたいして面従腹反の政策をとり、人民大衆の生活的要望にたいしては何ら自主的民主主義的政策を履行しえない。のみならず、かえって大衆運動取締まりの政策等において暴露したるごとく、勤労大衆を依然として隷属させ、軍国主義の復活に備えつつある。飢餓と窮乏と家なき惨状は、かかる天皇制官僚の帝国主義政府およびかれらの代理人たる天皇主義御用政党によっては絶対に改善されうるものではない。戦争犯罪の元凶たる天皇制打倒による軍事的警察的帝国主義の根本的掃湯と世界平和の確立こそ、日本民衆の解放と民主主義的自由獲得の基本的前提である。
 わが日本共産党が掲げる左記の実践的要求こそ、日本民衆を苦しめる鞭と搾取と牢獄の天皇制支配を終滅せしめ、労働者・農民その他いっさいの勤労大衆を自由の新野に解放するための指標となるものである。

  • 一 天皇制の打倒、人民共和政府の樹立。
  • 二 ポツダム宣言の厳正実施、民主主義諸国の平和政策支持。朝鮮の完全なる独立。労働組合の国際的提携。
  • 三 いっさいの反民主主義団体の解散と反動地下組織および白色テロ計画の根絶。いっさいの戦争犯罪人ならびに人権じゅうりん犯罪人の厳正処罰。民主主義の敵たる天皇主義御用政党の排撃。
  • 四 天下り憲法廃止と人民による民主憲法の設定。枢密院・貴族院・衆議院の廃止と民主的一院制、議会の設定。華族その他いっさいの半封建的特権制度の撤廃。
  • 五 警察の横暴によるいっさいの犠牲者、いっさいの政治犯人の即時完全釈放および完全なる復権と救援、官憲による一切の被害者にたいする損害賠償の要求。
  • 六 いっさいの人民抑圧法令、および刑法上の「皇室にたいする罪」の完全なる撤廃。大衆運動取締まり反対。人種・民族・国籍による差別待遇反対。いっさいの身分的差別の撤廃。
  • 七 言論・集会・出版・信仰・ストライキ・街頭示威行進の完全なる自由。宗教の国家からの分離。
  • 八 定住・資産・民族のいかんにかかわらず十八歳以上の男女にたいする選挙権・被選挙権の確立。選挙にたいする官僚的干渉反対。
  • 九 軍国主義的・帝国主義的法制文化および教育制度反対。人民解放のための進歩的文化の創造と普及の支持強化。
  • 十 いっさいの民主主義勢力の結集による人民戦線の結成。
  • 十一 労働時間の徹底的短縮(一般七時間以内、最大限八時間以内、一週四十四時間以内の制限) 労働者の状態の根本的改善。失業救済のため労働時間短縮による完全雇傭の実現。労働組合の組織化と活動の自由。団体交渉権の確立。
  • 十二 半封建的雇傭制度、ならびに半奴隷的労働条件反対。婦人および青少年にたいする重労働・有害および危険労働の禁止。婦人・青少年にたいする二重搾取反対。徒弟制度の撤廃。同一労働にたいする同一賃金。
  • 十三 賃金の全般的引き上げ。義務的最低賃金の制定。資本主義的合理化反対。十四歳以下の少年労働禁止。貸金全額支払いによる一週一回の休日と一年二週間以上の賃金全額支払いによる休暇。
  • 十四 婦人労働者にたいし、妊娠のさい賃金保持のままの十分なる休暇。各地域における産院と無料保育所設備の完備。婦人の身体的性質にたいする全面的配慮と保護。婦人少年の人身売買的労働契約の排除。半封建的家族制度にもとづく婦人の無権利状態の排除。
  • 十五 資本家の負担による国営失業保険・疾病保険・傷害保険・養老年金をふく社会保険の即時実施。いっさいの社会保険基金にたいする労働者および失業者の完全な管理。
  • 十六 いっさいの寄生的所有土地(地主・天皇および社寺等の寄生的所有土地)・山林原野その他いっさいの遊休土地の無償没収とそれの農民への無償分配。高利貸および銀行にたいする農民負担の棒引。漁民にたいする半封建的搾取制度の撤廃。
  • 十七 小作料の減免ないし支払拒否。地主による土地取上げ反対。山林原野の入会権の確立。
  • 十八 官僚政府による食糧供出の強要反対。農民委員会による民主的供出と農村必需品配給との結合。農業会その他いっさいの地主・官僚的農村機構の粉砕と自主的農民組織の確立。
  • 十九 いっさいの銀行の唯一の国立銀行への合同。その銀行の人民管理。
  • 二十 重要企業にたいする労働者管理と人民共和政府による統制の実施。軍閥・官僚・独占資本による企業統制の排除。中小商工業の自由。軍需企業家への国家補償反対。
  • 二十一 勤労者を犠牲とするインフレーション政策反対。天皇・資本家・地主の負担による公債問題の解決。資本家・地主にたいする国家補助の中止。皇室の浪費中止による財産の節約。財閥と富者への高率課税。戦時利得の全額没収とこれら資金の失業者・困窮者扶助への全額使用。労働者・中小農・都市貧民にたいする納税の減免。消費税その他の大衆課税の廃止。労働者にたいする家賃・電燈料・ガス代の減免、失業者にたいするそれらの全免。失業者委員会および借家人同盟の創設と拡大。
  • 二十二 戦災者・復員兵士・徴用解除者ならびに戦没者・在外兵士勤労同胞の遺家族の救済。
  • 二十三 交通・通信の官僚主義的停滞の打破と、労働者管理によるその根本的改革による事態救済。
  • 二十四食糧その他日常必需物資の人民管理。上地問題の民主的解決と人民共和政府下の貿易通商による食糧その他の必需品の供給増加。
  • 二十五 家なきいっさいの勤労者にたいする住宅の社会的保障。天皇・皇族・大官・資本家・地主

の大邸宅・遊休大建築物等の開放。

 かかる実践的要求の実現は、全被圧迫大衆の革命的民主的勢力の全国的結集なしには望みえない。労働者階級の分裂こそ、支配階級が多年にわたって熱望したものである。いっさいの被圧迫大衆は支配階級の分裂化政策に乗ぜられることなく、いっさいの職場において政治的・経済的闘争を大衆的にたたかいぬかねばならぬ。しかし、かかる闘争は、労働者階級の前衛、最高の組織形態たる共産党の指導なくしては窮極的成功を収めうることはできない。前衛党としてのわが党の組織的任務は次のものである。

  • 一 党の全面的強化。労働者階級と党との結合の強化
  • 二 労働者およびいっさいの勤労大衆の日常要求のための経済闘争の展開。反階級的・反民族的諸組織に抗して、かかる闘争の指導権を把握し、階級的単一産業別労働組合運動を強化すること。
  • 三 地主にたいする農民の闘争の激発と組織化。
  • 四 人民大衆の不満・抗議闘争のいっさいを天皇制打倒、軍国主義根絶の政治闘争の軌道にみちびくこと。

 さらにかかる組織的任務遂行のためには、すべての共産党員はマルクス・レーニン主義の把握による強固なる政治的思想的向上に努め、いっさいの日和見主義的偏向と停滞を克服し、党規律を厳守し、スパイ・挑発者の策動にたいする大衆的日常的闘争を強化し、自己犠牲的活動に邁進することが要請される。
 わが党の周囲には、二十余年の党の闘争過程をつうじてわが党に信頼と期待を抱いている無数の大衆が存在している。戦争の生んだ窮乏の基礎の上で覚醒しつつある無数の大衆は、わが党の手を強く待ち望んでいる。わが党は、いっさいの民主主義的勢力の結集のため、正しき実践的目標の下に協同しうるいっさいの団体および勢力と統一戦線をつくり、人民共和政府の樹立に進むものである。
 かくてこそわが党は、労働者・農民およびいっさいの勤労者を専制主義の掃湯と世界平和確立の闘争、土地と米と自由のための闘争における最後の勝利者たらしめるであろう。


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