「日本の情勢について」に関する所感

提供: 日本社会主義文献類聚
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  • 1950年1月13日の「アカハタ」に掲載された、『「日本の情勢について」に関する所感』の全文である。この論文は先にコミンフォルムが発表した『日本の情勢について』に対する日本共産党側の反論であるが、同16日には第18回拡大中央委員会においてコミンフォルム批判を受け入れ、この際の党内の動揺は4月に「当来する革命における日本共産党の基本的任務について」(50年テーゼ草案)発表に至って党の分裂に発展することとなった(50年問題)。
  • 底本:『資料戦後学生運動 2』三一書房、1969年
  • 初出:「アカハタ」 1950年1月13日号

「日本の情勢について」に関する所感

わが政治局は、『日本の情勢について』という論文(コミンフォルム機関紙『恒久平和と人民民主主義のために」一九五〇年第一号)を、七日夜のモスクワ放送、ならびに駐日ソヴェト代表部新聞課通信報(一月七日付『プラウダ』紙に転載された記事)によって受取った。
この記事は、オブザーヴァー(解説者)の執筆によるものであることが明記されているが、わが党に影響するところじん大であると考えるので、これに関する所見をのべる必要がある。
一、わが政治局はコミンフォルムの光輝ある業績に対してじん大なる敬意をはらう、とくにこの論文によって日本の事態に関心を寄せられたことを感謝する。今後とも世界人民の革命のために、偉大なる貢献をなされることを期待するものである。
二、論者が指摘した同志野坂の諸論文は、不十分であり、克服されなければならない諸欠点を有することは明かである。それらの諸点については、すでに実践において同志野坂等と共に克服されている。そして、現在はその害を十分とりのぞき、わが党は正しい発展をとげていると信ずる。しかしながら、その都度、その都度、中央委員会、その他の権威ある党員会議において、これらの偏向を明かにし、これを文献的に明確にしておかなかったことは、党活動にとって欠陥であることを認める。今後こういう弊害がおこらないように、われわれは努めるであろう。
三、日本における客観的ならびに主観的条件は、一定の目的を達成するにあたって、ジグザグの言動をとらなければならない状態におかれている。それ故に、各種の表現が奴隷の言葉をもってあらわされなければならないときもあるし、また紆余曲折した表現を用いなければならないことも存在する。
かかる状態を十分に考慮することなくして、外国の諸同志が、わが党ならびに同志の言動を批判するならば、重大なる損害を人民ならびにわが党に及ぼすことは明かである。
この意味において、この論文は、日本におけるもっとも誠実な人民のための愛国者である共産党が、いかに行動すべきかについて、十分な考慮をはらっていないことを、きわめて遺憾とする。党は同志野坂、その他、二、三の活動家の言論が欠陥をもたらしたときは、その時々において克服して正しく発展しているのであって、この論文の評価のように四ヵ年間にわたって誤謬が累積しているように認めているのとは、きわめて異った印象を大衆はもっている. それ故に『野坂の"理論"は、日本の帝国主義占領者美化の理論であり、アメリカ帝国主義称讃の理論であり、したがってこれは日本の人民大衆をギマンする理論である。野坂の理論がマルクス・レーニン主義とは縁もゆかりもないものであることは明かである。 本質上、野坂の”理論”は反民主的な反社会主義的な理論である.それは日本の帝国主義的占領者と日本の独立の敵にとってのみ有利である.したがって野坂の”理論”は、また同時に反愛国的な理論であり、反日本的な理論である。』の結論は、人民大衆の受入れ難いものである。
同志野坂は、もっとも勇敢な人民の愛国者として大衆の信頼をえている。
一九五〇年一月一三日
日本共産党中央委員会政治局



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